ある程度まとまってきた設定。
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精霊の支配する魔法の世界と、科学の支配する別世界。
相反する理で支配されている異世界同士を結び付けているのが、
風の精霊が記した旅の本。読むと精霊の力で異世界に飛ばされる。
その本を、書庫の奥に隠れて読んでしまったのが、
修行中の身である、わずか十五歳の、半人前魔術士。
半人前のため名前はなく、ただ「アクゥル(水の子)」と術士名で呼ばれるのみ。
本を読んで飛ばされた先は、科学の支配する世界の中でも、
特に影の部分の濃い場所。一国の裏世界を牛耳る巨大な麻薬組織。
しかも組織の幹部たちが会議中の会議室へ飛ばされ、当然捕まる羽目に。
ある事情があって殺されずにすんだものの、念入りな身体検査を経て、
研究対象として組織内に監禁されることに……。
言葉も通じず、右も左も分からない科学の世界。
鉄と鋼の世界では、精霊の力などろくに感じ取れず、
学んできた精霊魔術は役に立たず、心身に作用する術だけが使用可能。
しかし金属を身につけると全ての術の力が遮断されるのが欠点。
手錠で術を封印され、逆らえば首輪から電気を流され、
逆らう気力を徐々にそがれていく日々。
精霊世界に戻りたいと願っていても、最近は諦めつつある6ヶ月目。