同一人物 科学の支配する別世界にいる、彼のそっくりさん。
麻薬組織の唯一の若手幹部・スペーサー。
会議室に突然落ちてきたアクゥルが、顔や遺伝子まで酷似しているだけでなく、
身を守るために不可思議な行動をとったのをきっかけとして、
彼の世話をほかの連中から押し付けられる羽目に。

抜刀術とフェンシングを混ぜた独特の剣術の使い手。
火薬のにおいが嫌いなのも手伝って、射撃よりも剣術に長けている。
さらに、銃の仕組みを知らないアクゥルを脅すのにも効果があるので、
異国の刀鍛冶に特別注文して作らせた仕込杖をいつも持ち歩いている。
アクゥルのことは、躾ければそれなりに使える番犬くらいにはなる、としか考えていない模様。
「躾」のためにアクゥルを斬ることもしばしばある。


アクゥルは、スペーサーとの血縁関係を疑われたことと術を使ったことで、殺されずに済んだものの、
自分と顔のそっくりな(年齢は明らかに離れているけれど)男と生活し、
時には実験室で何時間ものあいだ術の観察で拘束される羽目に。
同じ部屋で暮らすスペーサーに親近感を覚えるどころか、脅され斬られ服従を強いられ、
わずか一週間ですっかり怯えてしまった。
そのため、言葉を覚えた今も、スペーサーの命令にだけは逆らわない。
とはいえ、怖いからそうしているのであって相手に忠誠心を抱いてなどいない。