第5章 part2



 H・Sがアレックスの部屋に入るや否や、アレックスはつかつかと足早に部屋を横切ってきた。
「どうしてもあんたに聞きたいんだ、どっか行っちゃう前に!」
 ドアを閉めた直後に詰め寄られる。相手の勢いに圧され、H・Sは思わず一歩下がってドアに背中をつけた。アレックスは相手がそれより下がれないのをいいことに、相手の服を掴んだ。
「あんた、アーネストの昔のこと、知ってるだろ」
「それがどうした」
「教えてほしいんだ。三年前のあの事件のことを。あんたもその場にいたんだろ」
 直感だけは鋭い奴だ。H・Sは思った。
「過去の悲惨な出来事を改めて耳にしなおしたところで、お前に何の得がある。悪夢にさいなまれたいのか?」
「悪夢なんか、このごろ毎晩みてるよ。それより答えろよ! あんたの知ってること全部つつみかくさず話せよ! あんたは三年前の事件で――」
 アレックスは言葉を切った。
「アーネストと、会ってるんだろ?」
 冷たい目が、アレックスを射抜いた。
「聞いてどうする」
 が、アレックスはひるまない。
「いいから! 言えってば!」
 やれやれといわんばかりにハンターはおおげさに肩をすくめた。
「いいだろう。あの《事故》について私の知っていることを全部話してやる。その代わり、またお前は地獄のどん底に叩き込まれたような衝撃を受けるだろうがな」
「構うもんか」
 アレックスの決意は固かった。基地が彼を殺そうとしたという事実によって、彼は一度地獄のどん底に突き落とされたようなショックを受けたのだから。少々のショックへの耐性は出来ているつもりだった。


 あの日、赤くてまぶしい夕日が自然保護区を照らす頃だった。帰ろうとする客たちを案内していると、遠くから悲鳴が聞こえた。F区のバッファローたちが突然怒り狂って暴走したのだ。客たちはあっというまにパニックに陥り、我先にと出口へ突進した。隊員たちが呼び集められ、客の先導、本部への連絡、バッファローの沈静、怪我人の応急手当、それぞれ至急グループが作られた。
 バッファローから逃げ出す客たちの何割かが既にバッファローたちの蹄にかけられているのを見た。辺りは血と倒れた人で赤く染まっている。百頭以上いるバッファローたちは、いくつかの群れに分かれて走り回っている。この辺りを通ったバッファローは数十体ほど。残りは四つほどの小さな群れに分かれているようだった。
 怪我人の応急手当のグループだったので、バッファローの群れがこちらへ来ないうちに、倒れた人たちを急いで診る。訓練で多少は治療の仕方を心得ているので、簡単な傷なら手当が出来た。だが、グループの者たちが手分けしても、倒れた客たちの半数以上が重傷であった。応急手当をしても本格的な治療を施さないと助からない。応急手当をして、バッファローの来ないと思われる安全な場所へ運び、それから、本部からの救護班を待つ。なかなか救護班は到着しない。
 死亡者多数の地点。生存者の多い先ほどと比べると、痛々しすぎる光景。直視できない。風に乗って血の臭いが流れてくる。むせ返りそうだ。遠くから人々の悲鳴が聞こえてくる。早く助けろと他の隊員に急かされ、急いで、近くに倒れている少年の元へ走る。
 意識は無いが脈はある。かろうじて生きている。服を脱がせると、バッファローに跳ねられて地面へ叩きつけられた事が一目で分かる、大きな傷があった。胸がへこんでいる。確実に骨折している。角で突かれたか蹄で踏まれたかは分からないが、大きな裂き傷からはドクドクと血が流れている。何とか止血だけでも――
 傷に応急処置を施したところで、バッファローの鳴き声が聞こえた。振り返ってみると、遠くからバッファローの群れがこちらへ走ってくるのが見えた。何とかこの少年だけでもどこかへ運ばないと……そうだ、この木陰へ!
 少年を半ば引きずるようにして、バッファローの進路から外す。そして、少年から身を離した直後、バッファローたちが襲いかかってきた。他の隊員たちも襲われ、残った死亡者たちは無残に踏みつけられる。自分自身もバッファローから逃げ遅れて、跳ね飛ばされた。跳ね飛ばされた勢いで、いったん地面にぶつかった後、坂まで勢いを殺さぬまま放り出された。さいわい、柔らかい草地がクッションとなって体を受け止めてくれた。F区の周りには坂があり、所々細い木が生えている。木にぶつからなかったのは幸いだった。それでも、跳ね飛ばされて地面にぶつかった衝撃であばらが折れ、体には大きな裂き傷が出来、出血が始まった。仰向けのまま坂に横たわっていた。起き上がろうにも、どうやら腕をひねったようで、腕を動かすこともままならない。応急処置用の小箱を持っているのに、自分で使えないとは……。救護班がここにいるのを見つけてくれるしか――
 上から人の声が聞こえたが、いずれも悲鳴だけだった。

 ガサ。
 消えかけた意識が、聞こえた足音によって、現実へ引き戻された。ぼんやりした視界の中に、草木以外の者が目に入る。ヒトのようだ。が、隊の制服を着ていない。救護班でもない。逃げ遅れた客か? それにしては落ち着いている。だが、今はそんなことに構っていられない。
――助けて。
 何者かは、首を少しかしげたようだ。
――ほお、助けてくれ? なぜ隊員が助けを求める?
――死にそうなんだ……。
 相手は動かない。
――助けてやってもいいが、私が誰だか知っているのか?
――知らない。
――お前たち野生動物保護官が躍起になって追っている、ハンターの一人だ。
 !?
 目の前に現れたのは、救護班でも隊員でもない、ハンターだったのだ。
――ハンターに助けを請う野生動物保護官など初めて見たな。
 面白そうに、相手は笑い、かがんで目線を合わせてきた。
――その傷だと、放置すれば一時間も持たずに死亡だな。ところで、お前はハンターに助けてもらいたいのか?
――……誰でもいい、助けてくれ。
 思わず助けを求めていた。それだけ切羽詰っていた。もう意識が途切れそうだった。が、相手は笑ったままだった。
――そうか。では、取引といこうか。
 取引?
――お前の傷が治り次第、私の手伝いをしてもらう。その代わり、私はお前を助け、守る。
 ハンターの手伝い?!
――嫌なのか? それでも構わないぞ。私はこのまま標的を捕まえて去るだけのこと。基地から派遣された救護班が来るまでまだ時間がかかるが、そいつをのんびり待っているがいいさ。もっとも、救護班が来たところで、既に手遅れの状態になっていると思うがな。
 相手は、こちらの反応を楽しむかのように、見つめてくる。数秒ほど黙っていたが、相手は口を開いた。
――で、どうしたい? 取引に応じるか、否か。
 誰でもいいから、助けてほしかった。だから――
――そうか。わかった。契約は成立だな。
 ハンターは、転送装置を使い、船内へと転送した。船内で可能な限りの手当てをした後、ハンターはK区の隠れ場所へ訪れ、高い金を払って小病院でちゃんとした治療を受けさせた。入院中、自分を助けたハンターのことを知った。最高額の賞金をかけられたAランクハンター、H・S。そして、病院に流れるラジオのニュースから、バッファローの暴走事件についても次のことを知らされることになった。
 バッファローの暴走事件は、当日F区にいたある隊員の職務怠慢によって、起きてしまったものであること。
 バッファロー暴走を静めようとした隊員全てが重傷を負い、救護班の手当ての甲斐なく、巻き込まれた客と共に死亡、あるいは行方不明になったこと。
 バッファロー暴走事件を起こしたその隊員は、逃亡して行方知れずになっていること。その隊員の名前は……

 怪我が完治するまで、半年かかった。退院後は、交わした契約どおりハンターの一人となり、代わりにH・Sは、基地の上層部から、消息の情報を隠していた。H・Sが人を全く信用しないこと、将来性のある相手としか契約を結ばないこと、そして契約でしか動かないことに気がつくのに、時間はかからなかった。彼との契約にそむいた取引相手は全て、彼の流す情報によって逮捕され、投獄され、処罰されたのだ。
 入隊時に先輩の隊員からこっそり教えてもらったどんな動物でも呼び寄せられる特殊な音を出す指笛と、独学で身に付けざるを得なかった体術によってハンター活動を続けるうち、この社会の裏側を、そしてこの世界を支配する自然保護法の裏側を、嫌でも知ることになった。驚くべきことに、Aランクハンターたちは皆、法律の裏側を知り尽くしていた。そして、彼らの話から、バッファロー暴走事件の真相すらも知る事が出来た。
 時が経つうち、あの忌まわしい事件の時に助けた少年の事は頭の隅に追いやられていった。生きているかどうかなど、確かめる術はなかった。だが、あの事件から三年経って、少年は姿を現した。懐かしい、今となっては見るのも嫌な野生動物保護官の制服に身を包んで。取引を終えた直後にH・Sから連絡が入り、船内へ転送された。そして、操縦席にあるモニターに映っていたその少年の顔を見て、思い出したのだ。あの時助けた、瀕死の少年だった。
 二年前に契約を結んだヨランダから、彼をつれてきてほしいという依頼が届いた。契約相手が契約を守る限りその内容に必ず従うH・Sは、忠実にそれを実行してその少年を手中にまんまと収めた。船内のトラップに捕まって怯えた目でこちらを見てきた少年は、こっちの事は覚えていなさそうだった。意識が無かったので姿を見てすらいなかったのだろう。
 少年をヨランダの元に届けた後、H・Sは少年のデータを見せてくれた。今年入隊した第八隊員・アレックス。三年前に両親を亡くし、孤児院で暮らした後、春に基地へ入隊している。写真に写ったその顔はちょっと緊張してこわばっているが、懐かしい顔だった。バッファローに跳ねられ、血だらけになったあの顔も、頭の中に浮かんできた。
 ヨランダの気まぐれで、アレックスを一度基地に『返す』ことになった。が、気乗りはしなかった。基地がアレックスを素直に迎え入れるとはとても思えなかったのだ。そして、『返した』直後に彼女の気が変わり、連れて帰ってくれと言われ、転送装置を使って船内に転送した。全裸で、寒さのために意識を失い、凍傷にかかりかけた手足を見て、自分の予感が当たったことを知った。基地はアレックスを消そうとしたのだ。船内で手当てしたとき、アレックスは自分の名前を聞いてきた。なぜ聞いてくるのかわからなかったのだが、とりあえず答えておいた。
 ヨランダの元へアレックスを送り届けた後は、一度も会わなかった。その間に基地はアレックスを指名手配した。やるだろうとは思っていたが、まさかこんなにおおっぴらにするとは……。アレックスがそれについて知らないほうが幸せかもしれない。家庭教師をさせられているH・Sは別にアレックスの事は何も言わない。言ってほしくなかった。それを察したのだろう。
《動物園》で犬の散歩をさせているとき、久しぶりに会った。食事の内容変化により、あのガリガリに痩せた体には肉がつき、遅い成長が始まっているところだった。肩幅が広がり、背も少し伸びた。写真で見た顔とは比べ物にならないほど血色のよい顔だった。それなりに幸せに暮らしているらしい。
 アレックスは言った。「あんたを知っている気がする」と。どうやら手当てしたときに少し意識を取り戻していた様だ。が、ちゃんと憶えているわけではないようだった。しかし、答えたくなかった。隊員としての自分はH・Sに助けられたときに死んだ。今の自分は、ハンターの一人なのだから。
 だが、今日の午後、原因の分からないバッファローの暴走で、アレックスは全てを思い出してしまった。思わず逃げ出した。何も聞かれたくなかった。聞きたくなかった。

 なぜ、忘れてくれなかった……。


 話は終わった。
 アレックスは、H・Sを凝視していた。聞いたばかりの話が、頭の中をグルグル駆け巡った。
「そ、そんな……そんな酷い!」
 またH・Sの服を乱暴に掴んだ。
「死にそうなときにそんな取引を持ちかけたのか?! 嫌だと言えるわけがないよ――」
「ほー、お前は奴に言っただろうが、『そんなの、応じられない』と」
「そりゃ言ったよ。そんな取引は応じられない……」
「あいにく、私はそんなにお人よしじゃないんでね。ハンターが隊員を助けるなぞ、鼠が猫を助けるのと一緒だ」
「でも……」
「仮に情けをかけて助けたとしても、ハンターの居場所等を通報されるかもしれないからな。それに、奴は見たところ、ちゃんと鍛えればハンター活動をさせるに十分な素質を持っていた、おそらくは私以上にな。だから取引を持ちかけた。取引を呑むなら助け、嫌なら去るだけの話だ」
 そしてアーネストは、ハンターの一人として、アレックスの前に姿を現すことになったのだ。
「……」
 アレックスは、今聞いた話が全て嘘であってくれたらと願わずにはいられなかった。H・Sは確かに話してくれた。アーネストは三年前に入隊した、アレックス同様新米の隊員だったこと。三年前の《事故》で深手を負ったアーネストに取引を持ちかけ、承諾させたこと。ただしH・Sはアーネストがアレックスを助けていたことについては知らなかった。だが何よりもアレックスをショックに陥れたのは、このバッファロー暴走事件がアーネストによって起こされたと発表されていたことだった。彼は濡れ衣を着せられたのだ。そして今も、アーネストは、基地に追われているのだ。
「でもどうしてそんな濡れ衣を着せたんだ! アーネストがやったはずがないんだろ――」
「確かに奴は《事故》を起こさなかった。だが、基地や政府としては、奴ひとりに責任を押し付けねばならなかったのだ。でなければ、政府への不満が一気に高まっただろうからな」
 アレックスは目を見開いた。政府?
「当時のお前はまだ青臭いガキだったから覚えていないだろうが、このイベントが行われた翌月は選挙だった。議会で立候補した候補者たちが自然保護区を一般市民へ開放し、同時に候補者たちが一般市民に触れ合うことによって、票の獲得を図った。ま、こんなものは昔からある票獲得のやり方のひとつでしかないんだがね。とにかく候補者の一人が――そいつは真っ先に《事故》で死んだそうだが――バッファローのいるF区で、凶暴に見えるバッファローとも触れ合えることをアピールせんがために、うっかりバッファローを怒らせてしまった。何をしたかは、我々Aランクハンターの間でも確かな目撃情報が無いために詳しくはわかっていないが、とにかくバッファローは暴走した。そしてその結果は、お前も体験したとおりだ」
 アレックスは魚のごとく口をパクパク開閉させていた。話があまりに大きくなりすぎたのだ。何かが頭の隅で砕ける音を聞いた気がした。
「ここまで来たら、なぜお前が基地の連中に冷凍庫なんぞに閉じ込められて凍死させられそうになったのか、おおよそ見当がついてきたと思うんだが?」
 そう、見当がついたのではない。確信したのだ。アレックスは基地で入隊者ファイルを調べた。だが三年前のものだけがきれいに抜けていた。コンピューターで検索しても、データは抹消されていた。アーネストが入隊したのも、忌まわしいバッファロー暴走事件が起きたのも、三年前。基地が、バッファロー暴走事件のあったデータを抹消し、同時に隊員のデータも消すことによって、真相を隠蔽し続けてきたとしたら。そして、アレックスが三年前の入隊者のファイルを調査した事が基地の内部で知られたとしたら。
 茫然として青ざめたアレックスの顔を眺めながら、H・Sは言った。
「ついでに言っておこう。今のお前は、基地によって指名手配されている。ハンターと内通していたという、基地の流した虚偽の情報によってな」

 ヨランダは、真っ青な顔をしたアレックスの頭を撫でながら言った。
「大丈夫よ、アレックス。ここにいる限り、あなたは守られてるのよ。基地や政府の力はここまで届かないのだから、安心していいの。ねえ、そんなかなしい顔しないで頂戴な」
 しとしと降る雨を降らすどんよりとした雨雲のように、アレックスの顔は晴れないままだ。H・Sから聞いた話があまりにも衝撃的過ぎたのだ。前回の話では、アレックスは基地によって凍死させられそうになった。それもショックだった。だが、今回の話は前回のそれを上回る衝撃を与えた。三年前のバッファロー暴走事件の裏側が明らかになった。ずっと気になっていたアーネストの本当の姿も明らかになった。そしてアレックス自身が指名手配されていることも――。一度に受けたショックはあまりにも大きかった。前回の比ではなかった。
 基地へ戻れないだけではない。指名手配された以上、自分の帰る場所は、もう無くなってしまったのだ。
 立ち直り始めたのが三週間後。それまで部屋にこもりっぱなしで、ほとんど何も口にしなくなっていた。ショックがなかなか癒えなかったのと、胸の中に湧いてきた怒りを自分にぶつけ続けていたのが原因だった。あの日、あぜ道を通って取引現場を目撃していなかったら、三年前の入隊者情報を調べることも無かったろう。消火訓練の時に、仮病を使ってでも欠席していれば、ヨランダが彼を気に入ることも無かったろう。H・Sに話をさせなかったら、こんなショックを受けずにすんだろう。どんなに怒りをぶつけようとも、結局は、アレックス自身が招いたことだ。誰のせいでもない。自分の行動がこの結果を招いたのだ。行き過ぎた好奇心が、アレックスを追い込んでしまったのだ。過去にIFを用いても、過ぎ去った時間が正されるわけではない。だがアレックスはやり直しをしたかった。何もかも、あの日に戻すことが出来たら……。
 毎夜、ベッドの中で、アレックスは泣いていた。過去を振り返っても、何も変わりはしない。あの時に戻りたいと願うこと自体むなしいと分かっているのだ。それでも、それでも……。
「嬉しいわ、アレックス。また、笑ってくれるようになったのね」
 やつれて青ざめた顔だったが、アレックスは何とか笑顔を見せる事が出来るようになった。ヨランダは本当に嬉しそうに、アレックスを抱きしめ、頭を撫でた。
「アタシ、あなたの笑顔がとても大好きよ。それじゃあ、今日のお茶と食事はいつもより豪華にしてあげるわね。また笑顔を見せてくれたお祝いよ」
 ヨランダの言葉通り、お茶の時間にはたくさんのケーキやパイが出された。そして夕食は、ヨランダの部屋で食べた。いつも彼が食べているものとはケタ違いに豪華なもの。肉、魚、野菜、果物。全部が出されたのだ、アレックスの見たことの無い料理の形で。ヨランダは一方的にしゃべり、アレックスは食べながら相槌を打った。ファゼットと言い、この父娘はおしゃべりが好きらしい。食後、部屋に引き取ってから風呂に入り、さっぱりしたところで新しい寝間着に着替えて、羽根布団に潜り込んだ。
(気に入ってもらってる間は大丈夫だけど……彼女の考えが変われば、オレなんかすぐ放り出されるに決まってる。でも、いつまでも甘えるわけにはいかないんだよなあ……)
 多少の不安はあったが、やっとアレックスはぐっすり眠る事が出来た。何の夢も見なかった。


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